■大阪市バス職員、刺され死亡 20歳容疑者を現行犯逮捕(asahi.com 9/26)
http://www.asahi.com/national/update/0926/OSK201109260043.html
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久しぶりなのに血なまぐさい話題で恐縮ですが・・・。
大阪で、バスと自転車(!)との接触トラブルから、死傷事件に発展という何とも恐ろしい記事です。
しかも、刺されて死亡してしまったのは、接触したバスの運転手ではなく、事故処理を担当する人だというのですから、悲しすぎる。
ちなみにYOMIURI ONLINEではこのような内容。
■20歳容疑者「対応腹立った」…市バス職員死亡
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110926-OYT1T00971.htm
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内容にやや違和感を感じたので、朝日の同じ報道を見たのですが、かなり違った印象になります。
特に違うのは、容疑者の供述の雰囲気でしょうか。
朝日「半殺しにしようと思って刺した」
読売「事故の件で話し合いに来たのに、いいかげんな対応をされて腹が立った」
朝日は逮捕時の供述、読売は「調べに」とあるので、少し落ち着いた段階での供述ということでしょうが、「隠し持っていた包丁」とあるので、読売の方の供述はどう考えても違和感があります。何で話し合いの場に包丁を隠し持ってくるのさ・・・。
サスペンスドラマでは、結構都合よく鞄の中から出てきたりする刃物がありますが、これは準備がなければ絶対に出てこないもののはずです。
少々気になるのは、読売はこの供述を紹介する意味があったのだろうか、という点。聞くのは警察の役割ですが、この場合包丁を隠し持っていた動機についての供述でなければ、記事内容としてはなんともバランスが取れず、釈然としない感じがするのです。
単に警察に言われたままに掲載したのか、そんなことはどうでもよかったのか・・・。
実はそういう読み方をすると、朝日の方も気になってきます。
刺された男性を同僚が台車に載せて150mほど逃走し、119番。容疑者はいったん追いかけたが、途中から現場に戻り、そこで警官に取り押さえられる・・・。
類推すれば、容疑者が追いかけている間に110番で警官が事務所に駆けつけ、そこに戻ってきた容疑者を逮捕、という事になる訳ですが、なんだかもう少し分かりやすい書き方はないものか、などと思ってしまいました。
・・・久しぶりという事で、いまいちな内容ですみません。
■平岡法相、品川美容外科から献金?3年間
■平岡法相、品川美容外科から献金…3年間
■「解散より議論」と主張する石破政調会長
■財務相「小宮山先生はたばこ嫌いなんですよね」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110906-OYT1T00496.htm
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110906-OYT1T00236.htm
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110907-OYT1T00033.htm
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新しい政権が誕生したという事で、ご祝儀という訳ではありませんが、三連発で・・・。
最初に気になったのは、政権交代というか、閣僚人事のたびに噴出する献金問題。少し前には民主党代表選で外国人の献金が問題になっていました。
ところで、政治献金というのはもともと献金した相手に対する見返りは「ない」のが前提ですよね。仮にタテマエであったにしても。
であれば、「誰からの献金か」というのは本来問題ではないはずです。というか、それを問題にして返金するという事は、暗に「私は(他の)献金してくださった方に何らかの見返りを提供します」と言っているに等しくはないでしょうか。
「自分は献金した相手に見返りを提供する気は一切ない。だからこの献金が誰のものであるかなんてまったく気にしない。」
そんな事を言う政治家はいないものか・・・などと思った次第です。
次に気になったのは、解散の話。これは記事の中にある自民党幹部(名前は不明)の発言が気になりました。
別の党幹部も「野党が解散を求めないでどうするのか」と不快感を示した。
いやいやそもそも「議員が解散を求めてどうするのか」という気がするのですが、どうなんでしょう。
同一選挙区からの二期連続の出馬は認めない。その選挙区での応援も認めない。そもそも二期連続の議員を認めない・・・そんなルールがあっても、「信を問うべきだ」と解散を求める議員がいれば「なるほど〜」と感心してしまいますが。
いずれにせよ、本来解散や選挙を求めるのは選ぶ我々国民の側であって、選ばれる彼ら政治家の側ではありません。ましてや「野党」という立場なんかではありません。
少なくとも、こんな輩に投票するのはやめておこう・・・などと思った次第です。
三つ目はたばこ税の増税・・・ではなく、これに絡んで起こった「閣内不一致」と論評される状態について。
この程度の意見も一致するような閣僚集団って、逆に怖くないですか?
もちろん大きな意味での方向性のようなものは一致しているに越したことはありませんが、実際にはそれだって色々な意見があってよいはずです。
大切なのは、意見が違わないことではなく、意見が違っても最終的には協力しあう事です。それが協調するという事。意見が同じであるのを求めるのは同調です。
国会にせよ、内閣にせよ、国の行く末を決める重要な機関が、協調ではなく同調を求める集団であるべきというのは、恐ろしすぎます。
意見は違っていて良いのです。違う意見同士を戦わせて、その中から最終的に一つの方向性を見出すのが、政治の役割でしょう。
そういうのがあっても表に出すべきではない・・・というのであれば、それこそが密室政治を生みます。むしろこうしてオープンな形で打ち合う方が、国民にとってもその政治家の姿勢がよく分かる訳です。
そういう訳で、どんどんやりあえ、でもやりあうだけで終わるな・・・などと思った次第でした。
メディアにも、尻すぼみにならないように追跡してほしいものです。
■急性白血病:福島第1原発作業員が死亡 東電が発表(毎日jp 8/30)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110830k0000e040075000c.html
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ああついに原発で・・・最初にこの情報に触れた時に、そのように感じてしまったのは確かです。その後考えを改めたのですが、それはこのような情報に触れたから。
今回報道された急性白血病と福島原発作業の因果関係は?-NOTROMの日記
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20110830#p1
鵜呑みにする訳ではないのですが、少なくともここに書かれている医学的知見については、十分納得がいく説明です。書かれているように、批判をするにしても、こうした情報を知った上でか、そうでないかでは大きく異なります。
もちろん、それでも因果関係がある可能性はあるでしょう。
やや気になったのは、「白血球が増殖する期間からの知見」にある40日や160日といった発症までの日数です。この日数は「8月上旬」ではなく「3月上旬」であれば十分クリアできるからです。この方が事故当時どこで何をしていたかまでは発表されていませんから、可能性がないとは言えないわけです。
ただ、個人的にはそうしたことを捉えて恐れるよりも、この方が最後に書かれていることをきちんと心に刻むことが重要ではないかと思いました。
「数年後から十数年後には、今回とは違って、本当の「因果関係は不明」という事例が発生します。それまで、今の気持ちを忘れないようにしましょう。たとえば、3年後に、原発作業員からの白血病の発症が報道されたとして、現在ほどの関心を呼ぶでしょうか。東電批判が流行に終わらないことを願っています。」
文中にある「原爆放射線による過剰死亡の推移」を見れば明らかなように、放射線被曝による健康被害が顕在化するのは、白血病で2年後、がんにいたっては数十年後の可能性もあります。
今、どのように対処するかも大切かもしれませんが、それ以上に、将来どのように対処するか、どう備えるか、何よりも一時の騒ぎに終わらせないためにはどうすればよいのか。
騒げば騒ぐほど、流行病のように消えてしまい、実際に問題が発生するころには忘れ去られてしまうのではないか・・・フィーバーのように騒がれる様子を見るたびに、そのように感じてしまうのです。
■放射線除染へ専門講習?福島県で9月にも(YOMIURI ONLINE 8/16)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110816-OYT1T00606.htm
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福島原発の周辺については、長期間住めないという見通しをついに政府が固めたようですが、それに先立って見かけたこの記事では、放射性物質に汚染された建物や土壌などの除染作業について専門知識を持った技術者を福島県が育成するそうです。
実際に被災された方のことを考えると、不謹慎と言われてしまうかもしれませんが、そろそろ考えておくべき頃なのかもしれない・・・そんなことを思いました。
それは今回積み上げられつつある放射線対策のノウハウを「海外に輸出できるビジネスとして育てる」事です。
もちろんこんな事故は起こらないに越したことはありません。
しかし一方で世界にはまだ数多くの原発が存在しています。仮に今回を契機に脱原発が進むにしても、止めてハイ終わりとはならない以上、事故が起こる可能性はゼロではありません。
(しかも止めて利益を生まなくなった原発の安全管理が、どれだけきちんと行われるか・・・と考えればむしろリスクが高まる可能性もあります。)
不幸につけ込むようですが、仮に事故が起こった場合に、事故を最小限の被害で食い止めるためのノウハウは必要です。そして残酷なようですが、想定ではなく現実のデータを得る機会が今の日本には存在しているのです。
断っておきますが、放射線対策の実験をしろ、という訳ではありません。
すべての対策はすべからく最善かつリスクが最少であることをめざすべきです。
一方で効果の測定をきちんと行い、どの方法が実際に最善であったのか、コストパフォーマンスも含めてナレッジとして蓄積しておく必要があるのではないか・・・そんな気がするのです。
それをなぜビジネスでという表現をするかといえば、国のナレッジはようするに国家機密でもあり、成功しようが失敗しようが表には出てこないものだからです。
チェルノブイリでの対策は、国家の危機管理であり、科学的データの蓄積にしかなりませんでした。もしあの時に、対策をビジネスとして担った企業があれば、そのデータとノウハウはより効果的に今回の事故にも活かされたのではないか・・・そんな気がするのです。
(もっとも、今回もフランスのアレバ社といった名前が出ていましたので、すでにそうしたビジネスは存在しているのかもしれません。ただ、であればなおのこと、今回を契機にその市場を日本の企業が狙うという事があっても良いと思うのです・・・国内からは総パッシングを受けそうなので、多分無理なのでしょうが・・・。)
■被災地ボランティアのつもりが 「27時間テレビ」設営作業の怪(週刊朝日@niftyニュース 8/11)
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20110811-01/1.htm
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やってしまいましたか・・・。
フジテレビの「27時間テレビ」で、南三陸町からの「復興スマイルライブ」の中継があったようなのですが、その特設会場の設営に震災復興のボランティアが駆り出されていた・・・という記事です。
新聞であれば遠慮して「載らない」気もしますが、そこは週刊誌なので遠慮なし(注:偏見です)。
記事の中での関係者の話では、
・ボランティアバスの企画会社:「お祭りの手伝い」と言われた
・ボランティアセンター:イベントに伴う「復興市」のためと要請があった
・フジテレビ:町の復興を目的としたイベントと認識している
となっていて、ボランティアとしての要件は満たしつつも現場で行き違いがあった可能性もありますが、ややグレーな感じも否めません。
特に気になるのはフジテレビの説明でしょう。
仮にこれが町によるイベントで、27時間テレビがその様子を放映したという事であれば、イベントに関する費用は町が負担している(当然出演タレントのギャラなども)事になります。(スポンサーはつくにしても。)
この場合、ボランティアによる応援は「あり」かもしれませんが、一方でフジテレビには「放映料」ぐらい求めても良い気がします。
逆にイベントの主催者はフジテレビで、町が「企画趣旨をご理解、賛同」した上での協賛したイベントであれば、費用はフジテレビが負担することになり、ボランティアではなくアルバイトを利用するのがスジでしょう。
こうなると、ボランティアセンターに対しても、もっと内容を吟味するべきだったのではという批判が生まれてくるかもしれません。
・・・が、ここでもう一つの可能性があります。
それはそもそもこのイベントに、ボランティアを「回す」余裕があったのは何故か、という点。他の作業を後回しにしてボランティアをお願いするほどのものではないだろうと考えると、余裕があったからこそ斡旋されたと考えることもできます。
この日(7月23日)は土曜日。聞いた話では、ボランティアは平日は不足していても、土日は供給過剰ぎみ。リーダーとなる(現場で指揮をとれる)人材がいないので「何をやってもらうかのコーディネートに苦労する」ことがあるそうです。
そう考えると、ボランティアセンターが「苦肉の策として」集まりすぎたボランティアをイベントに斡旋した・・・という可能性が浮上してきます。
ニーズを考えずに(参加費をとって)ボランティアを集めたボランティアバスの企画会社と、製作費を安くあげるために(アルバイトではなく)ボランティアを利用しようとしたイベントの企画会社とに、うまく利用されてしまったという事なのかもしれません。
それにしても、週刊朝日もそれぐらいえぐってくれれば、新たな問題提起(平日と休日のアンバランスの指摘)になったのに、この記事では「ボランティアはいいように利用されてしまう」みたいなイメージダウンにしかつながらないではありませんか・・・。
■節電国会 「暑い」論戦 3度高い設定でも上着は義務(asahi.com 7/29)
http://www.asahi.com/politics/update/0727/TKY201107270344.html
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「ネクタイはしなくてもいいが、上着はこれまで通り着用が義務づけられている。衆院の議院運営委員会の理事会の申し合わせで決められた。」
・・・いやいや、そんな取り決めをしている限りは「暑い」なんて言い訳にしかならないでしょう。
昨年までは25度だったという空調の設定温度が28度になったという国会の本会議場。今頃ですか・・・という感想はさておき、温度は上がっても上着着用というのは、かわいそうと思いつつ、政治家としてその意思決定は「情けない」のではないか、という気がします。
衆参両院は、電力使用制限令の対象だそうですので、もちろん例外的に認められるなんてことはありません。照明を落としたら議員の居眠りが増えるんじゃないか・・・というツッコミはさておき、こんな取り決めをされてしまったら、施設を運営するスタッフの苦労は大きそうです。
さらに会議場はともかく、問題なのは各議員の事務所。エアコンを使わない議員から24度設定にする部屋まで、対応は様々。どうせなら議員ごとに設定温度を公開ぐらいしたらどうなんでしょう。
「遠方からの来客を蒸し暑い部屋に通せない」
・・・それは「政治家のお客は特別」と言いたいということでしょうか・・・。
「パソコンやコピー機の熱で暑く、窓も開けられない」
・・・使用を控えましょう。そもそも「各部屋にコピー機」なんてもったいなくないか・・・。
「議員が外から戻った時は汗がひくよう、一時的に冷やしている」
・・・議員は冷房の効いた車で帰ってくるのではないのでしょうか。まさか電車で移動???
とはいえ、最後にあるように「国会で節電をすることにメッセージ性がある。メリハリのきいた節電で昨年比17%減は達成したい」のはまさにその通り。「(議員に)強要はできない」って、強要されてやるようでは何らメッセージ性はない訳で、目標が25%なら17%なんて弱気な話はして欲しくないものです。
とりあえず上着着用は撤廃してはどうでしょうか。当たり前ですが、大切なのは「服装」ではなく「議論の中身」のはずです。
■児童虐待1万件増?近隣住民などの通報増える(YOMIURI ONLINE 7/20)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110720-OYT1T00671.htm
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全国の児童相談所で対応した件数が、2010年度は前年度より1万件以上多かった、という記事です。東日本大震災の影響で、宮城県、福島県、仙台市のデータが含まれていないとのことなので、実際にはもっと多いということになるかもしれません。
もちろん、これは単純に「増えた」というよりも、「通報される件数が増えた」と見るのが妥当でしょう。
記事では大阪市西区で幼い姉弟が放置されて死亡する事件など、社会的な関心を集める虐待事件が多発したことが、虐待防止への関心が高まった背景にあるという厚生労働省の分析を紹介しています。
・・・が、実は朝日ではもう少し付け加えられていました。
■児童虐待対応5万件突破 10年度1万件増
(asahi.com 7/20)
http://www.asahi.com/national/update/0720/TKY201107200259.html
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「厚労省は、虐待自体が増えていることに加え、事件をきっかけに地域住民らの関心が高まり、通報が増えたことも件数を押し上げた背景にあるとみている。」
公表されたソースがある記事なので、実際に厚生労働省の分析としては「虐待自体が増えている」ということもあるのでしょう。ただ、読売ではその点には触れなかった、ということになります。
ただ、それだけでもずいぶんと印象は変わってきます。どの程度が「虐待自体の増加」で、どの程度が「通報件数の増加」なのか、細かい分析は難しいのかもしれませんが、両者はいってみれば正反対の傾向を示すものなだけに、何か傾向をつかむための指標が欲しい所です。