■被災地ボランティアのつもりが 「27時間テレビ」設営作業の怪(週刊朝日@niftyニュース 8/11)


http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20110811-01/1.htm

※リンク切れはご容赦願います。



やってしまいましたか・・・。



フジテレビの「27時間テレビ」で、南三陸町からの「復興スマイルライブ」の中継があったようなのですが、その特設会場の設営に震災復興のボランティアが駆り出されていた・・・という記事です。



新聞であれば遠慮して「載らない」気もしますが、そこは週刊誌なので遠慮なし(注:偏見です)。



記事の中での関係者の話では、



・ボランティアバスの企画会社:「お祭りの手伝い」と言われた

・ボランティアセンター:イベントに伴う「復興市」のためと要請があった

・フジテレビ:町の復興を目的としたイベントと認識している



となっていて、ボランティアとしての要件は満たしつつも現場で行き違いがあった可能性もありますが、ややグレーな感じも否めません。



特に気になるのはフジテレビの説明でしょう。



仮にこれが町によるイベントで、27時間テレビがその様子を放映したという事であれば、イベントに関する費用は町が負担している(当然出演タレントのギャラなども)事になります。(スポンサーはつくにしても。)



この場合、ボランティアによる応援は「あり」かもしれませんが、一方でフジテレビには「放映料」ぐらい求めても良い気がします。



逆にイベントの主催者はフジテレビで、町が「企画趣旨をご理解、賛同」した上での協賛したイベントであれば、費用はフジテレビが負担することになり、ボランティアではなくアルバイトを利用するのがスジでしょう。



こうなると、ボランティアセンターに対しても、もっと内容を吟味するべきだったのではという批判が生まれてくるかもしれません。





・・・が、ここでもう一つの可能性があります。



それはそもそもこのイベントに、ボランティアを「回す」余裕があったのは何故か、という点。他の作業を後回しにしてボランティアをお願いするほどのものではないだろうと考えると、余裕があったからこそ斡旋されたと考えることもできます。



この日(7月23日)は土曜日。聞いた話では、ボランティアは平日は不足していても、土日は供給過剰ぎみ。リーダーとなる(現場で指揮をとれる)人材がいないので「何をやってもらうかのコーディネートに苦労する」ことがあるそうです。



そう考えると、ボランティアセンターが「苦肉の策として」集まりすぎたボランティアをイベントに斡旋した・・・という可能性が浮上してきます。



ニーズを考えずに(参加費をとって)ボランティアを集めたボランティアバスの企画会社と、製作費を安くあげるために(アルバイトではなく)ボランティアを利用しようとしたイベントの企画会社とに、うまく利用されてしまったという事なのかもしれません。



それにしても、週刊朝日もそれぐらいえぐってくれれば、新たな問題提起(平日と休日のアンバランスの指摘)になったのに、この記事では「ボランティアはいいように利用されてしまう」みたいなイメージダウンにしかつながらないではありませんか・・・。