■スカイマークに都消費生活センター抗議「苦情押しつけ」(asahi.com 5/31)


http://www.asahi.com/national/update/0605/TKY201206050535.html

※リンク切れはご容赦願います。



スカイマーク、乗客へのサービス方針を示した際に、「機内での苦情は一切受け付けません」として、苦情がある場合は、同社のお客様相談センターか消費生活センター等に連絡してください、としてある事に、消費生活センターが「苦情」を訴えた、という図式でしょうか。



参考までに、こちらで問題となったサービス方針が紹介されています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120605/232989/



記事で問題になっているのは、8項目あるうちの最後の項目。確かにそのように書いてあります。この項目だけでなく、サービス方針として「サービスはしません」というトーンで打ち出しているのはユニークであると同時にある種乱暴な感じもあり、物議を醸すのは仕方ないといえば仕方ないかもしれません。



とはいえ、実際に利用してみたら、印象が変わるのかもしれませんが、個人的にはこの取り組み、というか「投げかけ」はありだと考えています。



理由は一つ。「モノだけでなくサービスに対価を払う社会にならなければ、先進国がこれ以上成長していくのは難しい」と考えるから。



以前マクドナルドが「スマイル0円」という広告をしていたことがありますが、ハンバーガーの価格だけでなく、スマイルでも対価を得られてこそ「サービス」産業でしょう。それを含めて高いと思うのであれば、買わないのも選択の一つですが、無形の何かの価値を明確に認知し、対価を発生させることができるようになれば、資源がなくても利益を得て成長していく事が可能になります。



そういった意味では、スカイマークは次のように投げかけても良かったかもしれません。「客室乗務員による荷物の収納は○○円です」「丁寧な言葉を使って対応した場合サービス料を加算します」「苦情は有料で承ります」・・・。

もちろん、これはさすがに言葉としてもショッキングなので、そうは言っていませんが、ようはそういうことだと思うのです。





さて、記事にある消費生活センターからの抗議ですが、個人的には本末転倒だなと考えています。なぜなら、消費生活センターがそうした声を受け付けるのは、企業の代わりに苦情処理をするためではなく、消費者と企業が直接やり取りをした場合に、その力関係から消費者が不利になってしまうような事を防ぐためにあるからです。



そういった意味では、スカイマークが言っているのは「すべて出るところに出ていただいて結構です」という事であり、消費者保護を使命とする消費生活センターとしてはむしろ歓迎すべき話ではないでしょうか。





・・・もっとも、消費生活センターでも保護するに値しないと考えるような苦情しか寄せられない実態というのがあるのかもしれません。