■未払い残業代求めたら?会社解散、全員解雇(神戸新聞News 4/19)


http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004985652.shtml

※リンク切れはご容赦願います。



高齢者介護施設をはじめとする福祉施設は、財政的に苦しいという事がよくいわれています。その一方で労働条件は厳しいため、働く人たちのがんばりに支えられる一方、トラブルにつながる事例も少なくありません。



今回取り上げられたのは、未払いの残業代を要求したら払えずに会社が解散してしまった・・・という話。



事情は記事からしかうかがえませんが、この通りだとしたら悲しい話です。

高齢者が増える日本社会において、「介護」というのは大きな課題ですが、現状その介護を支えられるだけの社会基盤が構築できていない、ということを象徴しているような話だからです。



ただ今回のケースでは、責任があるのは経営者のはずですが、直接の引き金を実際に働いている職員からの要求にあるかのように説明しているのがやや気になります。両者が良好な関係にあれば、そもそもこうした争いには発展しないような気がしますし、最後にある職員のコメントのような事態に陥る事もなかったのではないか、と思うからです。



そもそも「賃金を上げてほしい」といった話ではなく、「未払いの残業代を払ってほしい」という事なのです。労働基準監督署からの指導も入っていたようですが、職員側にしてみれば正当な要求以外の何物でもなく、こうしたビジネスモデルで経営をしていた運営会社の責任は、記事から感じられる以上に重大なはずです。



幸いと言ってよいのか分りませんが、サービスが止まることはなく、別の事業者に引き継がれるのが唯一の救いでしょうか。事業者が夜逃げ同然に解散し、高齢者と職員だけが放置されるといったリスクもあったはずです。



もしかしたら、こうした例はいくつもあるのかもしれません。

そもそもなぜこのような事態に陥ってしまうのか。もっと社会全体の課題として捉えていく必要がある気がします。