■橋下市長、駅で喫煙の助役の懲戒免職検討を指示(YOMIURI ONLINE 4/5)


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120405-OYT1T00503.htm

※リンク切れはご容赦願います。



全面禁煙の駅構内で喫煙した駅助役に対し、橋下市長が懲戒免職の検討を指示したという記事。法的に問題があっても司法闘争を辞さない覚悟のようです。



客に禁煙を呼びかけながら煙草を吸ったり、ましてやそれで火災報知機が作動して電車が止まるなんて、市民感情としては「辞めてしまえ」と思いますし、個人的に橋下氏は嫌いではないのですが・・・この指示を聞いてちょっと気になってしまったのが、この人は市長あるいはトップやリーダーとしての自分をどう位置付けているのだろうか、という事です。



どんな内部事情があれ、指示を部下に徹底ができなかった責任はリーダーにあります。社員が何らかの不祥事を起こした際に、「内部で」その社員をどう処分するとしても「外部に」対して責任を取るのはトップの役割でしょう。



別の記事ではこのような発言があります。



「ここまで(全面禁煙の徹底を)言っているのに、ミスではなく故意犯だ。服務規律の厳格化という市長のメッセージを明らかに無視している」



橋下市長「ミスでなく故意犯」…駅で助役喫煙(YOMIURI
ONLINE 4/4)


http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20120404-OYT8T00252.htm



メッセージが無視されたのは「あなたの」責任です。どんなビジネス書を読んでも、部下が動かない理由を部下の問題にして、リーダーに問題はないとする「リーダー論」などありません。

ましてやそれを外部に言うというのは「自分はリーダーだが組織の一員ではない」と言っているようなもので、組織の人がついてこないのは自明の理であるかもしれません。



ましてや「法的に問題があるかもしれないが」と認めている通り、この処分は後出しじゃんけんになります。リーダーとして橋下氏がやるべきだったのは、禁止の徹底を打ち出した際に「懲戒処分を行う」という事を前もって伝える事であって、後から無理やり処分を認めさせることではありません。



恐ろしいのは、これが通ってしまった場合の組織の委縮です。市長のさじ加減一つで処分が変わるとなれば、組織は意のままに従う従順な体制となるでしょう。あるいはそれが目的なのかもしれませんが、もし意図的だとすればそれはもっと恐ろしい話です。



権限を自覚する者は自責的にふるまい、権力に酔う者は他罰的にふるまいます。



橋下氏は市長の権限において、不徹底を反省して以降厳罰で臨むと宣言するべきだったのだと思います。市長の権力において、今厳罰に処そうとするのであれば・・・大阪市はこれからどうなっていくのでしょうか。