■「脱原発は困る」 電力労組、民主議員に組織的な陳情(asahi.com 12/1)
http://www.asahi.com/national/update/1201/TKY201111300881.html
※リンク切れはご容赦願います。
全国の電力会社や関連企業の労働組合で構成されている電力総連が、原発存続のための陳情活動や支援を民主党の国会議員に対して行っていた、という報道。
トーンとしては「票とお金にものをいわせる電力関係者」という感じでしょうか。電力総連が豊富な政治資金を持つことも紹介されており、その影響力を民主党議員に対して行使しようとしているという内容になっています。
うん、私も何だかなあと思います・・・が、ふとこんなことも考えてしまいました。
「脱原発派は、どういったアプローチを政治家に行っているのだろうか?」
陳情にせよ献金にせよ、違法な話ではありません。一見わいろのような取り上げ方がされていますが、自分たちの主張を代弁してくれる相手を支援するのは当たり前です。
そもそも、ある物事に対して、意思決定権を持っている相手に訴えるのは当然です。ある企画を通したいと思った時に、上司を説得するのではなく、酒場でくだを巻いていたら、実現されるはずがありません。
また、何か行動するには資金は必要です。脱原発派の議員が、現地を視察し、データをそろえようと考えた時に、それに対する資金援助はどれぐらい行われているでしょうか。そうした彼らに支持を伝えるという活動はどれぐらい行われているでしょうか。
ソーシャルメディアで多くの支持を集めたオバマ大統領にしても、実際の選挙活動の支えとなったのは、それらを通じて得られた膨大な個人献金と言われています。ソーシャルメディアでの支持は、精神的な支えにはなっても、物理的な行動を支えた訳ではないでしょう。
であれば「政治活動」として捉えた時に、本当に真剣に活動しているのは実は電力総連の側ではないか・・・そんな事を考えてしまったのです。
そしてもう一つ注意しなければいけないな、と思ったのは、この報道がさらなる「政治離れ」を呼ぶのではないか、という事です。「お金や票がものを言う」のが現実なのに、それが問題であるかのような雰囲気があれば、「それを上回る援助と支持者を集めよう」という動機づけは難しくなります。
結果として脱原発派の主張を「酒場のくだまき」に押しとどめてしまう事につながるのではないか・・・そんな気がするのです。
せめて、(規模はどうであっても)脱原発側の同様の動きも伝えるような内容であれば、より多くの支持を集めることにつながったのではないでしょうか。