■蓮舫氏「オンリーワン目指す努力を」と注文(YOMIURI ONLINE 6/21)


http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110620-OYT1T01055.htm

※リンク切れはご容赦願います。



理科学研究所と富士通が開発中のスーパーコンピュータ「京」の計算能力が世界一となり、7年ぶりに日本が世界一に返り咲いたというニュース。



思い出されるのは、事業仕分けにおける「2位じゃだめなんでしょうか」発言ですが、科学者は「やっぱり研究はトップを目指さなきゃいけない。科学技術の振興こそが日本の生命線だ」と胸をはっているようです。



確かに世界一というニュースは、このところ震災や原発問題で沈みがちだったムードを吹き飛ばす明るい話かもしれません・・・が、少々気になることもあります。



それは、その計算能力はどう生かされるのか、という部分。



もちろん、様々に有意義な事に使われるのでしょうが、それは「世界一」とはあまり関係ないのではないでしょうか。



思うに、蓮舫氏はこう問うべきでした。



「その計算能力を何に生かすのでしょうか」



そしてその答えを得た上で、



「その計算を実現する上で、世界一の能力は必要なんでしょうか」



と問わなければいけなかった。あるいは実際にはそういった流れで質問がされていて、報道によって意図が変わってしまったのかもしれませんが、コストパフォーマンスを考えるというのはそういうことです。



そもそも事業仕分けで問われていたのは、「世界一をめざす」是非ではなく、「その計算能力が生み出す成果」の是非でしょう。科学者は単純に世界一をめざしてもいい。でも政治家や官僚はそれで何をなすかを考えなければならないはずです。

(もっとも実際には科学者だって単純に世界一をめざせばよいわけではありません。原爆だって世界一(初?)をめざした結果生まれてきたものだからです。)



世界一や世界初は手段や結果あるいは目標にはなるかもしれないけれども、目的ではない。



では目的は何なのか。そんなことを考えてしまいました。

(ちなみに「関係者の得る名声」というのはその一つだったりします。)