新卒向け会社説明会遅らせて 経団連が企業へ要請検討(asahi.com 1/6)

http://www.asahi.com/national/update/0105/TKY201101050328.html
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経団連が企業に対して新卒向けの会社説明会の開始時期を遅らせることを「要請」することを「検討」しはじめたという記事。あくまでも「要請」で、しかも「検討中」ですが、こうした採用スケジュールの見直しをするのは初めてだそうで、今後議論が盛り上がるかもしれません。

現在、面接などの選考活動については4年生になるまでは「厳に慎む」ことが求められていますが、業界セミナーや会社説明会などの広報活動は秋ごろにはスタートすることが多く、実質的なスタートと受け止められているのだそうです。

優秀な学生を採用したい企業が、なるべく早くから囲い込みをしようとするのは当然といえば当然。一般的に内定が出るのが10月なので、その後すぐに次に向けた活動を始めるというのも、「企業側としては」自然といえば自然です。

一方で記事でも指摘されているように、学業に専念できない学生が増えているのも確かでしょう。言い換えれば企業側では学業を修めることなど求めていないという冷めた見方もできるかもしれませんし、大学における学びの価値が低下しているという捉え方もできます。

正直な話、経団連の要請がどれだけ実効力を持てるかは不明ですが、例えばこうしたスケジュールについて「エントリーの受付から3ヶ月以内に就業させる」といった、「時期」ではなく「期間」に対する要請にすることはできないのでしょうか。

選考活動だけでなく、エントリーの開始から就業までの期間を制限すれば、おのずとスタートする時期は決まってきます。3ヶ月の場合、4月に入社させるには1月スタートということになり、それ以前からスタートしたら学生は中退して就職しなければなりません。

一方、3ヶ月(6ヶ月でも良いですが)を1サイクルとすれば、企業側は年に数回学卒者への採用活動を行う事ができます。1年というサイクルで新入社員を育てる企業であれば年1回ということになりますが、数回行われるのであれば、学生側でも選択の幅が広がります。
(卒業してからでも良い訳で、あるいはそちらを選択する優秀な学生もいるかもしれません。)

実際のところ、これだけ大きな変更はできそうにありませんが、やるのであればこれぐらいやらないと、現状の問題を解決するのは無理なのではないかという気もします。