当直中の事件、10件超なら強制残業?厚木署(YOMIURI ONLINE 12/22)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101222-OYT1T00368.htm
※リンク切れはご容赦願います。

神奈川県警厚木署では、夜間当直中の事件受理件数が10件を超えたら強制残業になるのだそうです。
実は最初にニュースのタイトルだけを読んだ時、残業を「強制される」のではなく、「強制的に」残業扱いになるのだ、と勘違いをしてしまいました。

夜間に10件以上事件の受理をするというのは大変な労力なので、通常当直の枠を超えて残業扱い(=手当がつく)にしている・・・なんてすばらしい考え方だ!と思ったのですが、実際には「10件以上受理した場合は、勤務時間が延長(=残業)され、当直員は街頭で呼びかけを行う」という全く逆の話だったようです。

記事でも指摘されている通り、「残業を嫌がり、被害を受理しづらくなる」のではないか、という疑問が頭をもたげてきます。実際、受理件数は減っているようで、署長は取り組みの成果と胸をはる一方で、署員は不満たらたら・・・そんなトーンの内容になっています。

この記事で感じたことは二つ。

一つは、これは取り組み自体は決して悪いことではないのではないか、ということ。

■当直中の事件、10件超なら街頭で注意呼びかけ?厚木署

こんな見出しだったらどうでしょう。受理件数を一つのベンチマークにして、一定の水準を越えたら対策を打つ、というのは工夫を感じさせます。

その上で、問題点も指摘する。そうすると、取り組みは維持したまま、その問題点をどのように解決するか、という方向で考えられます。
一方、今の記事のトーンだと、「問題があるからやめてしまえ」という受け止め方になってしまうでしょう。

ようするに取り上げる視点次第でずいぶんと変わってくる気がしたのです。

もう一つは、最初にした勘違いのような仕組みは実際に導入できないだろうか、という点。

通常なら残業になってしまうようなボリュームの案件を勤務時間内にこなした場合・・・もちろん長期的には評価として跳ね返ってくることですが、もっと短期的な、ゲームのように挑戦できるような制度設計をすることはできないだろうかと感じたのです。

例えば小売店や飲食店であれば、時間当たりの来客数(対応数)が一定数を超えたら手当がつくとか・・・そしたらアルバイトでも呼び込みや客さばきが変わってくるかもしれません。

実際にはとっくに導入されているのかもしれませんが、そんなことを考えたのでした。オフィスワーカーの場合は、どうでしょうねぇ。