CO2総排出量規制、電力会社は例外 環境省案(asahi.com 10/18)

http://www.asahi.com/politics/update/1018/TKY201010180196.html
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政権交代当時(というほど昔ではない)には、大きく注目された気候変動(温暖化)対策ですが、最近は下火な感じです。そんな中でこのような方針が示されたということは、環境省は淡々と仕事を進めていたという事かもしれません。

記事によれば、電力会社以外の企業については総排出量でのCO2削減を義務付け、電力会社については発電量あたりの排出量、いわゆる原単位での規制になります。

EUなどでは、電力会社も総排出量での規制がされているので、海外との整合性は取れていないことになりますが、まずは一旦方針が示されたという感じでしょうか。経済界の受け入れやすさを狙いつつ、それでも反発はあるでしょうし、もちろん環境NGOなどからは批判の対象になります。

正直な話、「作る」側から言えば、総排出量で規制されるというのはあまり面白くありません。もっと言えば「生産量あたりの排出量」でも、あまり元気は出ない。
ものづくりが一定の環境負荷を生み出すものと前提すれば、これらの命題はどうやってもぶつかってしまうからです。

そんなわけで、個人的には「売上(利益)あたりの排出量」という原単位を採用するのが良いのではないか、とも思うのです。同じCO2排出量でも、より付加価値が高ければ、利益が上がり、原単位は下がる、という考え方です。

そうした考え方にシフトすれば、デザインやサービスといった、より環境には負担のかからない領域での生産性や差別化に注力できるようになります。総排出量での規制や、生産量あたりの原単位では、付加価値を生み出すパワーが弱いように感じるのです。

もっとも、この考え方をベースにすると、特に車などはガソリンを垂れ流すような高級車ほど排出原単位が低い、といった構図になってしまいます。

そのあたりは細かい調整が必要になりますが、あるいは欧州でこうした考え方が出なかったのは、そうした高級ブランドが多く、企業に対する規制にならないからかもしれませんね。