検事、押収資料改ざんか 捜査見立て通りに 郵便不正(asahi.com 9/21)

http://www.asahi.com/national/update/0920/OSK201009200135.html
※リンク切れはご容赦願います。

今週は中国漁船長の拘留とこの大阪地検の資料改ざん事件で大騒ぎでした。

もちろんこうした証拠資料の改ざんが行われてしまうというのは恐ろしい話で、到底許せる話ではないのですが、そこであえて別の見方をしてみます。
というのは、ツイッター上で「誰が(偽の証明書発行の)指示を出したのかという問題を忘れてはいけない」という趣旨のつぶやきを見かけて、なるほどと思ったから。(つぶやきの内容はうろ覚えです。すみません。)

どういうことか。

今回の資料改ざん、検察が事前の見立てに沿って捜査や証拠の操作までしていたと大騒ぎになっていて、「悪いのは検察」という事件にイメージが変わってしまってきていますが、元をたどれば「郵便割引制度をめぐって偽の証明書の発行を指示したのは誰か」というのが最大の問題です。

今回の事件で、検察の捜査が、厚生労働省元局長の村木厚子氏がその大元である、というストーリーの元に進められていたということが判明してしまった訳ですが、そこで気になるのが、

改ざんされたのは返却された資料で、公判で提出された証拠資料は改ざん前のもの

である点です。つまり、検察に有利なように資料の改ざんを行いながら、それは使わず、しかも相手(弁護側)に分かるように返却してしまっているのです。

いくらなんでも、それはおかしくないですか?

そこで、全く逆のストーリーを組み立ててみます。改ざんを行った前田検事は、村木氏を犯人とする検察の見立て捜査を世間に明かすためにこの「時限爆弾」を仕掛けた、というものです。

実際には爆弾が爆発する前に、村木氏は無罪判決が出されていますが、それでは結局「誰が」発行を指示したのか、という問題があいまいなままです。ところが、こうした改ざんが行われていたとなると(しかも上層部が承知していたとなると)、誰がそれを指示したのか、そしてそもそもその(村木氏を犯人とする)見立てを作ったのは誰かということが問題になってきます。

前田検事個人の問題・・・であれば、こうしたストーリーは成り立ちませんが、組織ぐるみあるいは上層部の関与という話になると、そうした陰謀めいたストーリーも想像できてしまいますが、どうなんでしょう。

いずれにしても、「検察の問題」で終わってしまって、最初の事件があいまいになってしまわないかだけは注意して見守る必要がありそうです。