卒業から3年以内の採用に奨励金 政府の雇用緊急対策案(asahi.com 8/30)

http://www.asahi.com/politics/update/0829/TKY201008290294.html
※リンク切れはご容赦願います。

フォワグラを想像してしまいました・・・。

本当かどうかは知りませんが、フォワグラは土中に埋めて身動き取れなくなったガチョウにひたすら餌を食べさせて肝臓を肥大化させたもの、と聞いたことがあります。

解雇規制という縛りを設けた上で、奨励金という手段で雇用を促進する。奨励金で新卒者を雇用する企業がガチョウに見えてきます。

『一に雇用、二に雇用、三に雇用』雇用があればモノが生まれて経済成長し、税収が上がる。

そもそも日本の問題は、「モノが生まれない」ことではなくて「モノが売れない」ことにあるのではないでしょうか。もちろん、雇用が消費を生むということもあるでしょうが、それにしても、モノをどんどん作れば経済成長するというのは、いつの時代の話ですか、という気がしなくもありません。

さて、ある種バラマキともいえるこの政策ですが、どうせバラマキをするなら、逆にしてはどうか、と考えてしまいました。

新卒者の採用に奨励金を出すのですはなく、従業員の退職に奨励金を出すのです。

退職者が企業の思惑以上に増えれば、代わりに人を雇わなければなりません。多くの場合、新卒者は既存の従業員よりも安く雇用できますので、人件費という面から企業にもメリットがあります。

「追い出された従業員はどうなるんだ」

そうですね。単なるレイオフでは困ります。企業が首を切って奨励金をもらうというのではいくらなんでもひどすぎるでしょう。

そうではなく、独立・起業しようという中途退職者に奨励金を出すのです。

ベンチャーというと若者がやることのようなイメージがありますが、本来はある程度社会経験も積んだミドル以上の方が成功の確立は高いはずです。企業からの退職金に国からの奨励金(もちろん小額では意味がありません)、さらに制度的な支援を整えれば、優秀な人ほど独立してやろうと考えるのではないでしょうか。

企業に対する奨励金は、所詮企業が吸収してしまうもの。企業に雇用を押し付けるのではなく、企業から独立する個人を応援したほうが、社会的には活力につながっていくのではないかと思いますが、どうでしょうか。