代替療法ホメオパシー利用者、複数死亡例 通常医療拒む(asahi.com 8/11)

http://www.asahi.com/national/update/0810/TKY201008100476.html
※リンク切れはご容赦願います。

ホメオパシーというのは、「気が遠くなるほど薄めた「毒」を飲むことで病気を治す、という欧州生まれの代替医療」(別の記事より)のことで、自然派ママを中心に女性層に人気が高まりつつある療法のこと。
http://www.asahi.com/health/feature/homeopathy.html

朝日新聞の記事は、そのホメオパシーを利用している人で、病状が悪化して死亡する例が相次いでいるというもので、支持者にとってはネガティブキャンペーンともいえるものでしょう。ただ一方で「被害」を受けた人も少なくなく、そうした人たちからは歓迎されているようです。

個人的にはホメオパシーは一種の信仰のようなもので、科学的な根拠は乏しいというのが素直な感想ですが、今回の記事を読みながら少し考えてしまったことがあります。

それは、この手の治療は受ける側にとっては「絶対」な訳ですが、治療を施す側にとってはどうなのだろうか、ということです。治療を施す側は、この治療法を「絶対」と捉えているのでしょうか。

素直に考えて、「絶対」というのはどんな場合でも考えにくい概念です。どんなに効果のある治療法でも、症例を重ねれば重ねるだけ「効かなかった」症例が出てくることは避けられない気がするからです。10の症例ではすべて効いていても、100だったら?1000だったら?10000だったら?・・・と考えると、「経験を積めば積むだけ」絶対という言葉は使えなくなるのではないか、という気がするのです。

で、実は「食の安全」というのも、(危険度はさておき)同じようなことがあるのではないか、などと考えてしまいました。
食品作りに深く携わったことがある人ほど「絶対安全」なものはないと考えるようになり、そうした食作りへの関わりが薄い人ほど「絶対安全」なものがあると考えるのではないか、と。

「そんなことは絶対ありえない」と口にする人がいたら、その分野にどれだけ関わった経験があるのか、こっそり調べてみると良いかもしれませんね。