鳩山首相が辞任を表明、小沢幹事長も辞任

YOMIURI ONLINE 6/2)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100602-OYT1T00331.htm
※リンク切れはご容赦願います。

先週はお休みしてしまいましたが、色々と事件の多い2週間でした。政治ネタばか
り続いて恐縮ですが、先週からの一連の動きに思ったことなどを・・・。

おそらく最初の「事件」は、福島大臣の罷免と、沖縄米軍基地の辺野古への移転の
決定でしょう。世論調査などでは社民党の連立離脱を評価する意見もあるようです
が、個人的には辺野古への移転において最大の責任者の一人ではないかと考えてい
ます。

何故なら、辺野古への移転を反対しつつ、異なるオプションを提示できなかったか
ら。国外グアムへの移転は「案」ではなく意見にすぎず、その論点では議論ができ
ません。事実、辺野古への移転については、「賛成」か「反対」かだけでした。

それで問題が解決するのか?

そんな気がします。特に反対派がやらなければいけなかったのは、「賛成」か「反
対」かではなく、「辺野古」か「○○」かという議論に持ち込むことでした。○○
というのは「辺野古以外」「沖縄以外」ではなく「グアム」といった固有名詞であ
る必要があります。

その上で、移転コスト、地理上の条件、地元の感情などを比較してどちらかに決め
る・・・というのが「筋」でしょう。反対派はそもそも、では「どこに」移転させ
るつもりだったのか。その具体案を提示できなかったことが、辺野古に落ち着いた
原因であり、辺野古に移転することになった最大の責任は、実は反対派や福島大臣
にある、という考え方もあるわけです。

(罷免も、「反対しているから」ではなく、「(出すと言っていた)対案を出さな
かった」という職務怠慢に対するものであるとすれば、それほど無理なものではあ
りません。辞めて泣いて同情を集めている場合じゃないのです。あなたの職務責任
は反対することではなく、対案を出すことにあるのです。それが辺野古案など問題
にならないすばらしいものであれば、だれもが辺野古に移転するなんて言わないは
ずです。)

一方、そこに端を発しているのかは不明ですが、小沢幹事長と「差し違えで」辞任
をしてしまった鳩山総理も、無責任といえば無責任でしょう。少なくとも基地問題
について結論を出したことは、本来は責められることではありませんし、責めるべ
きでもありません。リーダーである彼の最大の役割は「決める」ことであって、「
別の案を考える」ことではないからです。

もちろん、軽はずみな発言で混乱を招いたということは言えるかもしれませんが、
その発言がなければ、そもそも騒ぎもなく決まり、粛々と移転されていたはず、と
いうことはもう少し考えておいても良い気がします。

あるいは表面的な争いを嫌う日本人的に、そうやって「暗黙のうちに」なあなあで
進もうとしていた事を、無理やり表ざたにして対立する議論に引きずり込んだこと
に対する恨み節というのもあるのかもしれませんが・・・。


いずれにせよ、辞めてしまうこと、辞めろということに対しては、あまりポジティ
ブな印象を持てないのでした。辞めても何も進みませんよ。