日航が世界一、全日空2位 「定時到着率」日本勢が面目

asahi.com 4/14)

http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201004140226.html
※リンク切れはご容赦願います。

米コンデューシヴ・テクノロジー社の調査によると、国際線のある世界の主な航空
会社の「定時到着率」を調べたところ、日本航空が1位で全日空が2位だったのだ
そうです。

提示到着率というのは15分未満の遅れの範囲で予定時刻に到着できる割合のことで
日航は90.95%、全日空は90.37%でほとんど大差ありません。調査対象の平均が
どれぐらいかはこの記事では分かりませんが、17位のエール・フランスは80.52%
、25位のデルタは77.84%とあります。

さて、この記事が気になってしまったのは、日本人は「時間通りに飛ぶのが当たり
前」と思っている、という部分です。逆に言えば多くの国ではそれは「当たり前」
ではなく、少なくともこの会社はそう思っているからこそこんな調査をしたのでし
ょう。

当たり前でなければ、それは差別化された「ワンランク上のサービス」になります
が、当たり前と思っていたら、それが出来ないのは「サービスの低下」になります

そんなことを考えてしまったのは、比較的近いタイミングでこんなコラムを読んだ
からでしょうか。

日本の良さが若者をだめにする
http://newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2010/04/post-158.php

日本人にとって、「サービス」は「当たり前」のものとして存在しており、だから
こそ日常生活の質が高い反面、「サービス」としては生産性が低いということにな
るのではないか・・・そんな気がしたのです。

生産性の高さを「どれだけ付加価値を生み出したか」という尺度で測るとすれば、
「プラスアルファ」のサービスの提供は付加価値の源泉ですが、「当たり前」のサ
ービスの維持はコストということになります。
同じ質のサービスが提供されていると仮定した時に、それが「すばらしいもの」と
して対価が払われるのと、「当たり前のもの」として対価が発生しないのとでは大
きな違いです。(しかも「当たり前」の場合、サービス低下のリスクという負荷も
背負うことになります。)

こうした「当たり前のサービス」は、日本のよさなのかもしれませんが、一方で「
サービス」の付加価値を維持コストの中に封じ込めてしまう捉え方のような気がす
るのです。

こうした価値観の転換が必要な時期が来ているのではないでしょうか。逆にそれを
失いたくないのであれば、どのようにそこから付加価値を生み出していくかという
発想が必要とされているのだと思います。
(難しいのは、後者は「供給者側」ではなく「受益者側」が考えなければ出来ない
ことである気がします。)