環境保全意識高まった 東工大 省エネサポーター(毎日新聞 1/16)


東京工業大学では、電気の無駄遣いをチェックする「省エネサポーター」が活躍しているそうだ。登録したサポーターの学生が各研究室を回り、照明やエアコンなどをチェックして回る。



「どんなに偉い教授の部屋でも蛍光灯が付けっ放しなら消します」というのはサポーター登録をしている学生の談話だが、こうした取り組みにより、電気使用量は徐々に減っているという。

学生自身の省エネや環境保全意識も高まっているそうだ。



大学が省エネにより電気代を節約しても、企業と違って学生には還元されない。そういった意味では、大学にとっては「おいしい」取り組みのように思えるが、ユニークなのはこれがボランティアではなく、サポーターには時給1000円が払われていることだ。



1000円が高いか安いかはともかく、これがボランティアでない取り組みというのがおもしろい。効果は大きく二つある。一つは「お金を払っている」以上、きちんと学生に取り組んでもらうと同時に、学校自身も真剣に取り組まなければその払った分を取り返せないこと。もう一つはもらった学生も、お金をもらうことできちんと取り組む責任が生じることだ。



そうやって「取り組んでいるうちに」意識が高くなる。意識が高まるのは結果であって、「意識を高めるために」こうした取り組みをボランティアでやろうとするよりも実効性は高い。

(そもそも、ボランティアは「意識が高い」人がやるものであって「意識を高める」ためにやるなんてありえないのだ。)



先の学生はこんなことも言っている。



「皆、渋々従ってくれます。」



そう、仮に意識が高くたって、実際に従うのは意外と渋々なことが多いものなのだ。だからこそ、それをボランティアで推進しようとしてしまっては、推進する側も、推進される側もつらくなり、場合によっては互いに険悪になるリスクがある。そんな時に、時給という対価は、一種の「言い訳」としての緩衝材にもなる。



とはいえ、この時給ではまだ電気代削減費用の方が少ないかも・・・などとは思ってしまった。そういった意味ではやはり「意識付け」が目的で払われている対価なのかもしれない。